2023-10-15
小屋哲雄「ドローイング」
詳細
作家:小屋哲雄
作品名:ドローイング
年代:2023年
技法:紙にOGテンペラ
イメージサイズ:16.2×21.8cm
額サイズ:26.5×32×2.2cm
サイン:有
プライス:Sold Out
作品について
画面を三分割するグリーン。
「緑色」の可能性を幾通りも試みるがごとく、面や境界に浮かぶ色彩は実に多彩です。
左側に連なるのは、三日月にインスピレーションを受けたフォルム。
月が昇るように、あるいはいつの日か見た情景が脳裏に浮かぶように、軽やかなリズムと共に色面上を移ろいます。
再現性や物語性を取り除き、「三日月」をキーワードとした心象風景の持つ運動と純粋な絵画空間を追求した抽象画です。
余白に残る瑞々しい絵の具の痕跡は、マスキングテープを剥がして仕上げた画家の手業を感じさせます。
中心から外れた要素も含めた創作の過程そのものを見せる意図は、「ドローイング」と名付けられた画題によっても裏付けられているのでしょう。
採用されているのは、オイルと膠を混ぜ合わせたメディウムで顔料を溶いて描画する「OGテンペラ(Oil&Glue)」という技法。
通常は鶏卵を用いるテンペラ画に代わり、高温多湿の日本の風土に適するように応用させた技法で、安心の防カビ効果と共に、マットで鮮やかな発色にもその特徴が表れています。
幅1.5cmほどのナチュラルな白木額に、シートを貼り付ける仕様でセットされています。
季節やお部屋の和洋を問わず飾りやすい、すっきりと爽やかな印象です。
抵抗感と透明感、静と動、対極にある概念を構成して描かれた作品。
貴重な一点もののアートコレクションに、または空間の知的な演出に、いかがでしょうか。
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