2024-03-24

ジョルジュ・ルオー「『サルタンバンク』より 女レスラー <第二段階>」

ルオー サルタンバンク 女レスラー

詳細

作家:ジョルジュ・ルオー

作品名:『サルタンバンク』より 女レスラー <第二段階>

年代:1927-29年

技法:リトグラフ ed.10

イメージサイズ:30×23cm

額サイズ:72.2×64×3.3cm

サイン:有

プライス:Sold Out

作品について

20世紀フランスを代表する画家、ジョルジュ・ルオー。

宗教主題を中心に、道化師や踊り子といった苦悩する人間をモチーフにした数々の名作を残しています。

ルオーの傑作版画の多くは銅版画技法によるものが中心ですが、こちらは珍しいリトグラフ刷り。

版画集『ミセレーレ』を始め、厖大な仕事を請け負っていた当時の画家は、多忙な中にも絶えず新しい技法、自らの表現の可能性を模索していたと言います。

出版人エドモン・フラピエとの共同事業で着手された『サルタンバンク』は、ルオーの代名詞・サーカスを題材とした石版画の連作です。

完成に至るまでにいくつもの試作と修正を繰り返す徹底的な完璧主義で知られるルオー。

本作は、第一段階~第六段階の工程の内の第二段階に当たり、各段階共にごく少部数のみ印刷され、そのすべてに署名が書き込まれました。

複数のステートに分けられる作品の数々は、画家が造形的構想をどのように練り完成を遂げたのかを知る上で、非常に興味深いものです。

力強い筆致で描かれる舞台袖の女レスラー。

大衆に芸を披露し好奇の眼に晒される人々の悲しみや逞しさが、重々しい黒の一筋ひとすじに表れた、宗教画を思わせる崇高な雰囲気の作品です。

マージン右下には、鉛筆によるルオーの直筆サインがございます。

幅7cm程の黒金の高級額に、面金加工の麻マットを合わせた額装となっております。

100年近い年月を経た版画のため、シートにはわずかにヤケやシミが見られる他、額の小傷やマットの浮き等の若干の経年変化が生じています。

展示する上でほとんど気にならない程度かと思われますが、古い作品の持つ特性として予めご理解くださいませ。

美術史に名を刻む巨匠による、大変希少な秀作です。

アートコレクションや、上質な空間演出にいかがでしょうか。

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