ジョルジュ・ルオー「『悪の華の14点』より キリスト」

詳細
作家:ジョルジュ・ルオー
作品名:『悪の華の14点』より キリスト
年代:1927年
技法:ヘリオグラビュール・シュガーアクアチント・ドライポイント 他 ed.425
イメージサイズ:35×25.4cm
額サイズ:59.3×47.2×2.3cm
サイン:版上有
プライス:Sold Out
作品について
20世紀フランスを代表する画家、ジョルジュ・ルオー。
宗教主題を中心に、道化師や踊り子といった苦悩する人間をモチーフにした数々の名作を残しています。
こちらは、フランスの詩人・ボードレールの詩集『悪の華』の挿画のために制作された14点の銅版画の内の一作です。
ルオーと専属契約を結んでいた画商ヴォラールの発案で1926年から2年間にわたり制作され、1927年にパリの刷り師・ジャックマンの手により500部が刷られました。
しかし戦乱が巻き起こる当時、完成後すぐに発表されることはなく、1966年になってようやく出版社から刊行されるに至ります。
完成から刊行までの間にヴォラールの下で保管されていた作品は、500部の内の一部が消失・散逸してしまったため、最終的に425部のみの限定部数で販売されました。
近代社会における絶望、退廃的な美への憧憬、キリスト教精神を謳ったボードレールの傑作に深く魅了されたルオー。
湧き上がる内面性や象徴主義的な世界観を表現するため、いくつものプロセスを経た銅版画の技法を駆使して作品を仕上げたのでした。
イコン画を思わせるシンボリックな構図で描かれたキリスト像。
思慮深く瞑想する表情、超越的な存在を強調する陰影表現。
複雑なグレースケールで浮かび上がる絵柄は、崇高さで満ちています。
画面右下には、ルオーの版上サインと、原版の制作年がございます。
幅2.7cm程のダークブラウンの額に入っています。
100年近い年月を経た版画のため、シートにはわずかにヤケが見られます。
展示する上でほとんど気にならない程度かと思われますが、古い作品の持つ特性として予めご理解くださいませ。
流行に左右されることのない、いつまでも変わらない価値を楽しむことのできる作品。
アートコレクションや、上質な空間演出にいかがでしょうか。