ジョルジュ・ルオー「『サーカス』より 道化師と子供」
詳細
作家:ジョルジュ・ルオー
作品名:『サーカス』より 道化師と子供
年代:1930年
技法:アクアチント ed.270
イメージサイズ:31×21cm
額サイズ:59.1×50.5×3.7cm
サイン:版上有
プライス:Sold Out
作品について
20世紀フランスを代表する画家、ジョルジュ・ルオー。
宗教主題を中心に、道化師や踊り子といった苦悩する人間をモチーフにした数々の名作を残しています。
こちらは、画商ヴォラールの監修により発表された8点の銅版画から成るシリーズ『サーカス』の内の一枚です。
当初、フランスの詩人アンドレ・シュアレスのテキストを添えた挿画本として刊行するために着手されましたが、シュアレスがヴォラールの親しい知人を非難する文章を書いていた事実が発覚したことから、書籍の出版は頓挫してしまいました。
「サーカス」をテーマにした挿画本は、後の『流れる星のサーカス』へと形を変えて実現するのですが、未刊の版画集のために描かれた本作は、ルオーの歩んだ画業において注目に値するものでしょう。
サーカスは、画家が生涯に繰り返し描いた重要な題材です。
スポットライトを浴びる華やかな場面でなく、舞台袖で肩の力を抜く大道芸人が映し出されています。
力強い輪郭線と瑞々しい色彩で表現されたエンターテインメントの一幕は、まるでステンドグラスのような崇高な雰囲気さえも感じさせます。
画面右下には、原版に刻まれたルオーのサインと制作年がございます。
四隅に飾り模様のある黒とゴールドの額に、面金加工のマットが合わせてあります。
絵柄を際立たせる古典的なフレームも、見どころのひとつです。
額やマットにはごくわずかな小傷や汚れ、裏板にもシールを剥がしたような跡がございますが、展示する上でほとんど気にならない程度と判断しています。
版面はヤケや退色などもなく、コンディション良好です。
流行に左右されることのない、いつまでも変わらない価値を楽しむことのできる作品。
大切なアートコレクションにいかがでしょうか。