2023-11-22

猪熊弦一郎「『FACES』より 顔30 裸子2」

猪熊弦一郎 FACES 顔30 裸子2

詳細

作家:猪熊弦一郎

作品名:『FACES』より 顔30 裸子2

年代:1992年

技法:リトグラフ ed.150

イメージサイズ:41×32cm

額サイズ:53×44×2.5cm

サイン:有

プライス:Sold Out

作品について

香川県出身、20世紀日本を代表する画家、猪熊弦一郎。

東京美術学校で藤島武二に学んだ後、1938年に渡仏、その後ニューヨーク、ハワイ、日本と活動の拠点を移しながら生涯制作を続けました。

マティスやピカソ、藤田嗣治ら名だたるアーティストたちとの交流に刺激を受け、画風は一つに留まることなく度々変化します。

人物の顔や動物、建造物、抽象形態など、様々なモチーフと向き合う中、創作の根底には一貫して「絵として美しいもの」を描こうとする意図があったと言います。

画業中期では幾何形体などの抽象的要素を構成した作品を多く手掛けていましたが、妻を亡くしたことをきっかけに、晩年の画面には突如「顔」が登場するようになります。

最愛の妻を想い描き始めたシリーズは、次第に目、鼻、口といった要素の造形的な面白さに着目するようになり、独創的な作品が次々と誕生していきました。

こちらは猪熊が世を去る前年、満90歳を記念して出版された画集『FACES』に収録されたオリジナル・リトグラフです。

画題の通り、空間を枡目状に埋め尽くす30の顔と2つの裸婦。

単純化を極めた描写は二つと同じものがなく、皆それぞれに生き生きとしています。

画面右下に、直筆サインと限定番号の書き込みがございます。

猪熊自身の手により直接ジンク板に描画され、アルシュ紙に限定部数で刷られた希少な作品です。

シンプルな白木の額に、シートを浮かせる仕様でセットされております。

版面には、よく見るとわずかなシミやヨレがございます。

展示する上でほとんど気にならない程度と思われますが、古い作品の持つ特性として予めご了承くださいませ。

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