坂本善三「容」

詳細
作家:坂本善三
作品名:容
年代:1985年
技法:リトグラフ ed.EA
イメージサイズ:61×48cm
額サイズ:83.8×69.8×1.5cm
サイン:有
プライス:お問い合わせください
作品について
熊本県小国町出身の画家・坂本善三。
上京し本郷絵画研究所と帝国美術学校に学び、兵役に就きながらも絵画の研鑽を積んだ後、終戦を機に故郷・熊本へ拠点を移します。
風景や静物が中心だった作風は、渡欧以降、日本の風土と生活に着目した抽象画へと変化を遂げ、独自の様式は「グレーの画家」や「東洋の寡黙」と称され国内外で高く評価されています。
本作は、坂本善三が世を去る2年前の1985年に制作されたリトグラフです。
黄土色の色面を漂う、いくつもの黒いフォルム。
あるものは太く、あるものは細く、またあるものは朱の彩りを伴いながら、一定の秩序を保って配されています。
《容》。
入れ物に収めたものや姿形、転じて物事を許し受け入れる様を表す言葉を題に与え、画家が伝えようとしたこととは。
一つひとつの墨色のタッチは水辺に映る陽のきらめきや雄大に広がる大地の抑揚、一斉に飛び立つ鳥たちの姿をも思わせます。
ぬくもり溢れる抽象空間には、豊かな自然に囲まれた故郷を愛おしく思い、自身を取り巻く人々や出来事をあたたかな目で見つめて肯定する、坂本の眼差しが投影されているのかもしれません。
版画制作にも熱心に取り組んだ坂本善三の、晩年も全く衰えることのない創意を窺える一作です。
マージンには、作家による直筆サインとエディション番号の記載がございます。
本作は、総部数100部の内の「EA版(作家保存版)」に当たります。
幅4.3cm程のブラウンの額を合わせました。
お部屋の和洋を問わず、落ち着いた雰囲気を演出してくれる仕上がりとなっております。
流通の少ない希少な作品は、アートコレクションとして大変おすすめです。