2025-12-10

長谷川潔「砂漠の中のデリック(油田櫓)」

長谷川潔 砂漠の中のデリック(油田櫓)

詳細

作家:長谷川潔

作品名:砂漠の中のデリック(油田櫓)

年代:1954-55年

技法:エングレーヴィング

イメージサイズ:10.2×14.4cm

額サイズ:29.8×33.8×3.1cm

サイン:版上有

プライス:Sold Out

作品について

20世紀版画史に深く名を刻む巨匠、長谷川潔。

銅版画技法を学ぶため1918年に渡仏して以降、1980年に世を去るまで、帰国することなくパリで活動を続けました。

マニエール・ノワール(メゾチント)やドライポイントなど、当時ほとんど用いられていなかった西洋の古典版画技法を復活させ、日本人ならではの美意識を取り入れた独自の表現は、没後の今も高く評価されています。

長谷川は、代表作として知られるマニエール・ノワール作品の他にも、書籍の挿画やグリーティングカード、年賀状や催事の招待状など、様々な技法を用いた小さな版画を多数残しました。

こちらは、フランスの石油会社のために1954年から1955年にかけて制作された、エングレーヴィング(ビュラン)作品です。

舞台は広大な砂漠。

画面手前にはラクダに乗る二人の人物、遠景には石油を掘削するためのデリック(櫓)が高々とそびえています。

漆黒の色面が特徴のマニエール・ノワールに対し、ビュランは余白を残す明快な線の表現です。

長谷川にとって、ビュランは水墨画や白描画といった東洋の美学に根ざすものであり、フランスで活動を続けながらもアイデンティティを見失うことのなかった自身の在り方の表れであったと言えるかもしれません。

極めて精緻な線描によって、ラクダたちの足音や砂漠を撫でる乾いた風さえも感じられそうな秀作です。

版面左下には、画家の版上サインがございます。

ブラウンの上質な木製額を合わせました。

カラーリングの奥から金箔が透けて見える、落ち着きある仕上がりです。

70年もの年月を経た版画のため、シートにはヤケや極微細なシミ、裏面のテープ跡等の経年変化が見られます。

額装し展示する上でほとんど気にならない程度と判断しておりますが、古い作品の持つ特性として予めご理解くださいませ。

貴重なアートコレクションや、オフィスや店舗のワンランク上の彩りに、いかがでしょうか。

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