アンリ・マティス「『ヴェルヴ no.35-36』より インコとセイレーン」

詳細
作家:アンリ・マティス
作品名:『ヴェルヴ no.35-36』より インコとセイレーン
年代:1958年
技法:リトグラフ
イメージサイズ:34.1×77.4cm
額サイズ:51.8×94.9×1.6cm
サイン:無
プライス:お問い合わせください
作品について
フランスが生んだ20世紀最大の巨匠のひとり、アンリ・マティス。
当時誰もを驚かせた大胆な色遣いによって「色彩の魔術師」と称され、フォーヴィスム時代の代表作や、切り絵による作品をテーマにした作品集『ジャズ』など、記憶に残る数々の名作を残しました。
こちらは、マティスが晩年精力的に取り組んだ切り絵シリーズを元にしたリトグラフです。
色を塗った紙を鋏でカットする行為は、体力の衰えた画家にとって線と色を同時に扱うことのできる画期的な手法となりました。
シンプルな輪郭とフラットな色遣いで生み出された作品は、自由で軽快な明るさで満たされています。
一面に散りばめられた、海藻や果実を思わせるフォルム。
画面左手には横向きのインコ、右上にはギリシャ神話に登場する半人半魚の怪物セイレーンの姿が。
「装飾」と「芸術表現」が融合した、マティスの切り絵シリーズの中でも特に人気の高い作品です。
画家と同時代に活躍した美術評論家・編集者のテリアードが手掛けた美術雑誌『ヴェルヴ(VERVE)』に収録された一枚で、刷りはパリの老舗・ムルロー工房によるものです。
世界で最も美しい雑誌として話題を集めた本誌。
マティスの作品は何度も特集が組まれましたが、《インコとセイレーン》が収められた『35-36号』は、画家が生前から進めていた企画を、1954年にマティスが亡くなった後、追悼号として刊行した特別な一冊となりました。
幅3cmほどのブラウンの木製額に、刃先ゴールドのマットとネームプレートを合わせました。
カラフルな絵柄を品よく引き立てる仕上がりです。
『ヴェルヴ』内に三つ折りで収録されていた作品のため、シートにはうっすらと折れ目がございます。
ダメージではありませんのでご安心くださいませ。
作品の状態を保つため、裏面の折り目部分には中性テープによる補強が施されています。
シートには、わずかなヤケやヨレ、インク飛びなどの経年変化が見られますが、展示上ほぼ気にならない程度の良好なコンディションです。
希少なアートコレクションとして、あるいはご自宅のモダンな装いに、いかがでしょうか。