猪熊弦一郎「十字路」
詳細
作家:猪熊弦一郎
作品名:十字路
年代:1979年
技法:エッチング ed.50
イメージサイズ:17.5×12cm
額サイズ:47.8×36.3×2.5cm
サイン:有
プライス:Sold Out
作品について
香川県出身、20世紀日本を代表する画家、猪熊弦一郎。
東京美術学校で藤島武二に学んだ後、1938年に渡仏、その後ニューヨーク、ハワイ、日本と活動の拠点を移しながら生涯制作を続けました。
マティスやピカソ、藤田嗣治ら名だたるアーティストたちとの交流に刺激を受け、画風は一つに留まることなく度々変化します。
人物の顔や動物、建造物、抽象形態など、様々なモチーフと向き合う中、創作の根底には一貫して「絵として美しいもの」を描こうとする意図があったと言います。
こちらは、1979年に50部限定で発表された銅版画作品です。
画面を埋め尽くす、おびただしい数のかたち。
よく見ると、それらはすべて四角と丸で構成されています。
「四角と丸」を「静と動」という対照的な性質を持つ基本的なフォルムと捉えた猪熊は、画面の中で両者が共存するユニークな作品を多数残しました。
中でも、小さな「四角と丸」が十字型に連なる本作は、増殖しながらも秩序を守る様子、また所どころに規則性を脱して飛び出したり傾いたりしている個体の生み出す遊び心が魅力です。
純粋な抽象画でありながら、道路やビル群などの具体的なイメージも連想させられる、猪熊の創意がたっぷりと詰まった一作。
マージンには、直筆サイン、年記、限定部数の書き込みがございます。
幅5mmのシルバーの金属フレームに入っています。
50年近い年月を経た作品のため、ごくわずかなヤケや波打ち、額の小傷等の経年変化が見られます。
いずれも展示する上でほとんど気にならない程度と判断しておりますが、古い作品の持つ特性として予めご理解くださいませ。