2025-11-03

全能のキリスト 東欧イコン

全能のキリスト 東欧イコン

詳細

種別:アンティーク

品名:全能のキリスト 東欧イコン

国:東ヨーロッパ

年代:18-19世紀頃

技法:木に彩色

イメージサイズ:22.2×17.3×1.7cm

プライス:Sold Out

作品について

「全能のキリスト」は、ビザンティン美術の様式を踏襲し、何世紀にも渡り描き継がれてきた伝統的な図像です。

神の子をキリスト教における支配者かつ審判者だと示す意味を持ち、聖堂の主要な場所に置かれるなど重要なイコンとして深く崇敬の対象とされてきました。

本作に見られる、右手で祝福のポーズを取り、左手に福音書を携える姿は、最も典型的な表現方法です。

右手の指のそれぞれはキリストを指す神聖四文字「ICXC」を表し、軽く包み込むような仕草には、敬虔な教徒たちを守る意味合いがあるとされています。

波型や円、植物文様で周縁を飾る意匠が印象的。

強調された装飾性と強い平面性は、俗世とは全く異なる神聖な空間を可視化する要素として大きく機能しています。

荘厳さと同時に穏やかで慈しみ深い雰囲気を併せ持つキリストの姿と向き合い対話することで、神の世界をより深く感じようとしていた当時の人々に、想いを馳せながらご覧ください。

非常に古い板絵のため、木材のわずかな反り、亀裂や欠け、彩色のスレや剥落等の経年変化が見られます。

また、周縁の金彩部分は後世の補彩かと思われます。

長い年月をかけて受け継がれてきたイコンの持つ趣としてお楽しみいただけましたら幸いです。

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